不動産売却で代理人を立てることはできるのか

2022-10-30



一般的に不動産を売却する時は、売主・買主・不動産会社の担当者の三者が立ち会い、売買契約を結びます。
しかし、時には売主本人が売買契約の場に伺うことが難しいケースがあります。
そんな時は代理人を立てて売買契約を結んでもいいのでしょうか?
今回は、不動産売却における代理の可否や手続きのポイント・注意点などをご紹介します。


不動産売却で代理人を立てることはできる


結論からいうと、売主が不動産売却時に代理人を立てて手続きを進めることは可能です。
不動産売却時に手続きを代理人にお願いすることができるのは、以下のようなケースがあてはまります。

売却する不動産と売主の居住地が遠い場合
たとえば愛知県にある実家を売却したいけれど、売主は現在福岡県に住んでいるためなかなか現地まで足を運べない…など、売主の居住地と売却予定の不動産がある場所までの距離が遠い場合があります。
また、売主自身が海外に住んでいて売買契約時に合わせて帰国することが難しいケースも考えられます。
そうした場合は、代理人を立てて売却手続きを進める方が合理的です。

売買契約を結ぶための時間を作りにくい場合
仕事や家庭の事情など、何らかの理由があってなかなかスケジュールを合わせにくい方もいらっしゃいます。
また、売主自身が病気やケガで入院していて、売買契約当日に外出できないケースもあります。
そのような場合は、代理人を立てて売主の負担を軽くすることができます。

共有名義になっている不動産を売却する場合
たとえば親が亡くなった後、兄弟姉妹全員の共有名義で実家や土地などの不動産を相続した場合、その不動産を売却するには名義人全員の同意+立ち会いが必要です。
しかし、名義人が多ければ多いほど全員の都合を合わせることが難しくなり、なかなか手続きが進められません。
このようなケースでは、名義人全員から依頼を受けた代理人を立てることでスムーズに手続きを進めることができます。

なお共有名義の不動産を売却するケースには、離婚を機に夫婦共有名義の自宅を手離すケースもあります。
離婚成立までに不動産売却が完了していない場合、離婚後も手続きの際に顔を会わさなければならず、そのことがストレスになる方もいるでしょう。
そのため、「離婚を機に夫婦共有名義の自宅を売却することになったけれど、手続きのために夫(または妻)と顔を会わせるのは避けたい」という方は、
代理人に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。


不動産売却の手続きを代理人に任せる場合に必要な書類と代理人ができること


不動産売却の手続きを代理人にお願いする行為を委任といいますが、委任を口約束だけで済ませるのは不十分です。
そのため、売主が代理人に不動産売却を委任する時はその旨を示す書類を作成しなければなりません。
この書類を「委任状」といいます。

委任状が持つ役割
委任状は、「売主が確かにこの方へ不動産売却の手続きをお願いした」ことを明確に証明する役割を持ちます。
もし委任状がなければ、いくら代理人が売主から依頼を受けたと主張しても証拠がないため、買主から詐欺ではないかと疑われてしまう可能性が高まります。
ですが委任状を作成して提示すると、売主が正式に代理人へ不動産売却の手続きを依頼したことが証明され、買主も安心して取引に望めるのです。
そして委任状は、「代理人が売主からどの程度の権限を与えられているのか」を示す役割も持っています。
不動産売却において売主が判断を迫られる項目は多々ありますが、その中のどこまでを代理人に委任しているのかが分からなければ、手続きを進めることはできません。
委任状を作成する際は、次のポイントに注意しながら作成しましょう。

●(1)不動産売却の委任であることを示す文言
●(2)売却する不動産の情報(所在地・建物構造・面積・所有者氏名・住所など)
●(3)売却条件(売却価格・手付金・契約キャンセル時の違約金・物件引き渡し日など)
●(4)売主が代理人に委任する範囲や権限(不動産会社との媒介契約・売買契約の締結・各種代金の受領・所有権移転登記・物件引き渡しなど)
●(5)代理人独自で判断せず、売主に相談のうえ決定したい事項(なければこの項目は不要)
●(6)委任状の有効期限
●(7)売主(委任者)の氏名・住所の記載および署名・実印での捺印
●(8)代理人の氏名・住所の記載および署名・実印での捺印
委任状以外に売主と代理人双方が用意するべき書類

●(1)売主の実印
●(2)売主の住民票および印鑑証明書(いずれも委任日から3ヶ月以内に発行したものであること)
●(3)代理人の本人確認書類
●(4)代理人の住民票および印鑑証明書(いずれも委任日から3ヶ月以内に発行したもの)
代理人は不動産売却に必要な書類を代わりに申請・取得することもできる
不動産売買契約時は、売買契約書以外にも登記済権利証や固定資産税評価書など、必要な書類が複数あります。

売主は契約当日までにそれらの書類も用意しなければなりませんが、遠方に住んでいたり入院中だったりなど、事情があってご自分で用意できない場合もあるでしょう。
そのようなケースでも、代理人にお願いすると売主の代わりに必要な書類の申請・取得が可能です。

各種書類を揃えるには時間がかかるため、どうしても都合が合わずご自分で用意することが難しい方は、代理人にお願いするといいでしょう。



不動産売却を代理人にお願いする時の注意点


不動産売却の手続きを代理人にお願いする際は、次のことに注意してください。

注意点(1)代理人は信頼できる人物であること
代理人は単に売主に代わって不動産売却を行う存在ではなく、代理人の行為は売主が行った場合と同じ効力を持ちます。
たとえば売主が望まないことでも、代理人が許可するとその時点で売主が許可したことと同じ行為とみなされ、場合によっては重大なトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。
そうしたリスクを回避するために、代理人を選ぶ時は本当に売主が信頼できる方にお願いしましょう。
売主が信頼をおける関係の代表例としては、売主の配偶者・親・子などがいますが、親族の中で適任者がいなければ司法書士や弁護士などの専門家に依頼するケースもあります。

注意点(2)専門家に代理人を依頼する場合は売主に対して本人確認が行われる
不動産売却の代理人を専門家に依頼する場合、相談を受けた専門家は「本当にこの方がこの不動産の所有者で間違いないか」を確認します。
不動産は高額の取引である分、所有者本人になりすまして所有者が知らないところで勝手に売買されてしまうケースが稀にあります。
そんな大問題が起きることを防ぐため、不動産売却の代理人になってほしいと依頼を受けた専門家は、依頼者が本当の所有者であるかどうかの本人確認を行うのです。
専門家による本人確認方法は、売主の身分証明書・実印・印鑑証明書・戸籍事項証明書などの書類提出に加え、不動産売却の理由・過去に売主が住んだことある場所など、売主本人しか知り得ない情報の聞き取りがあります。

注意点(3)白紙委任はNG
売主が代理人に委任する範囲や権限を委任状に記載しないことを、白紙委任といいます。
信頼できる相手に代理人を依頼したなら、代理人独自で判断することと売主の同意確認が必要なことなどを細かく分けず、全ての判断を任せたいと思うかもしれません。
しかし裏を返すと、白紙委任は売主の承諾なく売主に不利な条件で売買契約を結ぶことも可能です。
そうなれば契約後にトラブルが起きて、売主と買主間だけでなく売主と代理人の間でも揉めてしまいます。
そんなトラブルをわざと引き起こすような相手に代理を頼むことはないはずですが、白紙委任は範囲や権限を決めている委任より問題が起きやすいため、絶対にやめましょう。

注意点(4)代理人といつでも連絡を取れるようにしておく
不動産売却時、代理人が認められている範囲や権限を超える事項が起きると、代理人は一度売主に確認を取らなければいけません。
代理人による売主への確認は都度行われ、時には急ぎで確認が必要なこともあります。
そのため売主は、代理人からいつ確認の連絡が来てもいいように準備しておきましょう。


まとめ


不動産売却は手続きの全てを売主自身で行うことが望ましいですが、売主の事情次第では代理人を立てて行っても問題ありません。
ただし、代理人をお願いするのは本当に信頼できる相手であること、どの程度売主と同等の権限を持たせるのかなど、注意するべき点が多くあります。慎重に検討しましょう。
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