不動産売却した時に確定申告は必要?

2022-10-09



不動産売却後は、確定申告が必要になる場合があります。
普段会社にお勤めの方は、企業が毎月所得税を源泉徴収し、年末調整されるため、確定申告には縁がない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産売却で確定申告が必要になるのはどのようなケースかを解説し、必要書類や書き方、注意すべきポイントなどをご紹介します。


確定申告とは?


まずは、そもそも確定申告とは何なのか、不動産売却で確定申告が必要になるのはどのようなときなのかを解説します。
確定申告とは、1月1日~12月31日までに得た所得合計を、翌年2月中旬~3月中旬に税務署に申告することを指します。
申告された所得に基づいて所得税をはじめとする税額が確定し、定められた期限内に納付します。


不動産売却して確定申告が必要になるケース


不動産売却をした場合にも、以下のようなケースでは確定申告が必要です。

不動産売却で譲渡所得が発生した場合
不動産売却した結果、譲渡所得が発生したときには、確定申告が必要です。
譲渡所得とは、不動産を売却することで得られた「利益」を指します。
不動産売却をした際の売却金額そのものに税金がかかると考える人が多いのですが、そうではありません。
譲渡所得は、以下の計算式で求めます。

譲渡所得=売却金額-(取得費+譲渡費用)

このように、譲渡所得は売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いて求めます。
取得費とは、不動産を購入する際に要した購入費や建築費などから、建物ぶんの減価償却費を差し引いたものです。

譲渡費用は、売却に際してかかった仲介手数料や測量費などを指します。
上記で算出し譲渡所得がプラスになった場合は、確定申告が必要です。

不動産売却で損失が発生し損益通算したい
前述した計算式を当てはめ譲渡所得を算出した結果、マイナスとなった、つまり損失が発生した場合には、確定申告は不要です。
確定申告は税額を決めるために所得を確定するのが目的なので、所得が発生しないのであれば申告する必要はないのです。
ただし、譲渡所得で出た損失は、一定の条件を満たした場合、ほかの所得と「損益通算」することが可能です。
損益通算とは、ほかの所得と相殺して所得を確定することを意味します。
譲渡所得で発生した損失を、ほかの所得から差し引けるため、全体の所得を減らして納付する所得税を減税できます。
損益通算したい場合にも、確定申告が必要です。


不動産売却後の確定申告をする際に必要となる書類


それでは実際に確定申告する際に、必要となる書類と書き方をご紹介します。

不動産売却後の確定申告で必要な書類の種類
不動産売却後に確定申告する際、必要になる書類は以下の3つです。

確定申告書B様式
所得を申告する際に使用する確定申告書です。
税務署や市役所で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードします。

分離課税用の申告書
不動産の譲渡所得は給与所得などとは分離して課税されることから、こちらの申告書を利用します。
確定申告書B様式と同様に、税務署や市役所、もしくは国税庁のホームページから入手できます。

譲渡所得の内訳書
売却した不動産の所在地や売却額、取得費明細などを記載する書類です。
こちらは不動産売却後に、国税庁から郵送されます。

必要書類の書き方
確定申告書に書き込むときには、黒インクのボールペンを使用し、筆圧を強めにして記入します。
確定申告書には多くの数字を記入する必要がありますが、マス目からはみ出ることがないよう、ていねいに書きましょう。
とくに0と6、1と7など、似た数字はしっかりと書き分けます。
文字を訂正するときには二重線で消し、新たに余白に書き込みます。
なお、確定申告は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」から電子申告も可能です。

パソコンで申告すると、計算ミスや入力もれ、提出書類の不備などを指摘してくれます。
数字を入力すると自動で計算してくれるので、作業時間の短縮にもなるため積極的に活用しましょう。


不動産売却後に確定申告するときのポイント


それでは最後に、不動産売却後に確定申告するときのポイントをご紹介します。

特別控除を活用する場合も確定申告が必要
不動産売却では売却金額が数千万、場合によっては億になるケースもあり、得られる譲渡所得も高額になりがちです。
しかし、一定の条件を満たせば、以下のような控除を活用できます

・3,000万円特別控除の特例
売却したのがマイホームなら、一定の条件を満たすことで譲渡所得から最大3,000万円まで控除されます。

・相続空き家の3,000万円特別控除の特例
売却したのが相続した空き家だった場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から3,000万円まで控除を受けられます。
このような特例が適用されると、譲渡所得3,000万円までは実質的に譲渡所得税は発生しません。
譲渡所得が発生した場合には、適用条件に該当しないかよく調べましょう。
ただし、譲渡所得が3,000万円以下になり、特別控除が適用されると譲渡所得はゼロになるから確定申告しなくて良い、というわけではありません。
特例を適用させるためには確定申告で譲渡所得を確定し、特別控除を適用して譲渡所得がゼロになることを証明しなければならない点には注意が必要です。

申告不要でも「お尋ね」がくる場合がある
譲渡所得を計算した結果マイナスになり、損益通算する必要がなければ、基本的に確定申告は不要です。
ただしその場合、税務署から「お尋ね」の書類が届くことがあります。
「お尋ね」とは、税務署から個人に対しておこなわれる、確定申告の内容についての問い合わせを指します。
申告側は損益が出たため申告していないのですが、税務署としては、本当に利益が出ていないのか確かめたいという意図があります。
売却益が出ていなければ、届いた書類に事実を記入すれば問題ありません。
「お尋ねされると脱税を疑われるようで良い気持ちがしない」と考える方は、譲渡所得がマイナスになった場合でも、確定申告しておくと良いでしょう。

確定申告の相談先
不動産売却の確定申告について疑問があるときの相談先としては、税務署もしくは税理士が挙げられます。

税務署で相談する
確定申告の相談は、税務署窓口において無料で受けてもらえます。
確定申告時期は大変混み合うので、不動産売却をして譲渡所得が確定した時点で相談するのがおすすめです。

税理士に相談する
確定申告の相談は、税理士にも依頼できます。
譲渡所得が多く発生するようなケースでは、より節税につながるアドバイスをしてもらえる可能性があります。
確定申告の相談は、おおむね5~10万円程度で依頼できるうえ、書類も作成してもらえるので、手間と時間を節約したい場合は税理士に依頼しましょう。

まとめ


不動産売却では、譲渡所得がプラスになった場合と、マイナスになった損失を損益通算したい場合には確定申告が必要です。
また、確定申告不要なケースでも、税務署から「お尋ね」が届くことがある点には注意が必要です。

なお、ワンズ・ホーム岡崎では、岡崎市を中心としたエリアにある不動産の査定や売却のご相談に応じています。
「とりあえずいくらで売れるかだけ知りたい」といったご相談も、どうぞお気軽にお問い合わせください。



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