不動産を売却する理由やきっかけは、人によりさまざまです。
そして購入者側も意思決定にあたり、どうして手放すことになったのか知りたいと考える方は少なくありません。
そこでどのような理由で不動産売却にいたるのか確認していきましょう。
中古物件の購入を考えている人の多くは、その不動産が売却される理由も購入判断の材料にしています。
したがって手放すにいたった経緯について、質問される機会も多いでしょう。
不動産売却にいたる理由には、主に以下のものがあります。
●転勤・転職することになった
●結婚や出産、親との同居などで家族構成が変わった
●住み替えをすることになった
●相続で取得した不動産だが住む予定がない
上記の理由は合理的かつ自然なものなので、ありのまま伝えても購入判断にマイナスの影響を与えることはほとんどありません。
しかし購入希望者にネガティブなイメージを与える可能性のある、気をつけるべき理由があります。
●離婚することになった
●住宅ローンの返済が滞った
●事件・事故が発生した
●近隣や環境面のトラブル
上記の理由についてはありのまま伝えるのは、抵抗を感じる方もいるでしょう。
個人的なもので建物の居住性には関係ないものは、ありのまま伝える必要はありません。
しかし買主が不安を感じたり、不快に思うような瑕疵については事前に告知する義務があります。
なかでも住宅の欠陥や住環境の悪さに起因するものは、売り出し価格が低くなったり取引成立に時間がかかったりする可能性が高まるでしょう。
マイナスの理由は改善・対処できるものもある
たとえば建物の老朽化が手放す理由である場合、それだけでは、購入者に対してマイナスのイメージを抱かれてしまうでしょう。
そこでリフォームにかかる費用分を、あらかじめ販売価格から差し引くなどの対策が考えられます。
建物が多少古くても安い中古住宅を探している人にとっては、お買い得物件であると感じられるでしょう。
また劣化が激しい場合は、リノベーション済み物件として売り出すのもおすすめです。
問題点について正確に伝えるほうが、購入希望者も対策が立てやすく安心して取引に進める場合があります。
不動産売却について告知が義務付けられている内容でなければ、必ずしも伝える必要はありません。
しかし物件探しをしている人は、売主の人柄も判断材料にしています。
誠実に対応している売主であれば、建物の管理を適切におこなっており、さらに売買取引もスムーズに進むのではないかと期待するためです。
そのため売却理由がネガティブなものであっても、支障のない範囲で伝えるようにしましょう。
たとえば離婚が売却する理由の場合は「縁起が悪い」と感じる人がいる一方で、「建物や周辺環境には問題がない」と判断する人もいます。
また経済的な事情である場合も同様です。
ただし住宅ローンの滞納が原因の場合、売り急いでいる(価格や条件交渉がしやすい)といった印象を与えてしまうことがあるので注意してください。
建物の瑕疵に関連するものの伝え方とは?
売却理由のうち、建物の瑕疵など告知義務のある項目については購入希望者へ伝えなければなりません。
告知義務のある主な項目は以下の通りです。
●建物の構造上の欠陥
●設備の不具合
●雨漏りやシロアリ被害など
●心理的瑕疵(事件や自殺があった)
このような項目については告知が義務付けられているため、違反すると契約解除や損害賠償を請求される可能性があります。
告知義務のある内容かどうかは自己判断せず、事前に不動産会社へ確認しておきましょう。
また購入希望者から告知内容の詳細について、さらに質問を受ける場合があります。
通常は不動産の営業担当者が対応にあたりますが、内見などで売主として立ち会う場面で質問されることもあるでしょう。
そのため現況について分かっていることは、あらかじめ整理しておくとやりとりがスムーズに進みます。
近隣トラブルによる場合
ご近所トラブルについては個人間の問題(性格が合わなかった程度)であれば、理由をありのまま伝える必要はありません。
それでも売主側の努力で解決できる問題であれば、売買前に解消しておくのが無難です。
注意したいのが、騒音や異臭、ゴミ出しトラブルといった生活に支障の出る可能性が高いトラブルです。
当事者同士での話し合いはさらなるトラブルに発展しがちなため、管理会社(マンションの場合)や、行政の担当窓口に相談してください。
悪質なケースや身の危険を感じるケースでは、警察や裁判所の介入により解決する方法があります。
また境界線トラブルについても、注意が必要です。
自分の考える境界線と隣人の主張する境界線が異なっていたり、自分の敷地内に隣人の植栽や塀が越境していたりする事例もよくあるトラブルです。
不動産を売却したら引き渡しまでに、境界線を確定しなければなりません。
境界線問題は近隣トラブルのなかでも特に解決が困難なトラブルなので、売却活動を始める前に解消しておきましょう。
人によってはプラスの理由になる場合がある
環境的な理由で不動産を売却する場合、買主が物件に求める条件によってはむしろプラスに働くことがあります。
たとえば幹線道路や商業施設が近すぎて騒がしい物件の場合、人によっては交通アクセスや買い物に便利な物件と判断するかもしれません。
一方で駅や商業施設から離れた物件なら、静かで落ち着いた環境の物件としてアピールする方法が考えられます。
自分にとってはマイナス要因であっても、物件の魅力につながる条件もあるため、不動産会社の担当者と相談しながら売却方法を検討してください。
不動産の売却理由に告知義務の内容が含まれる場合、必ず書面で伝えるようにしましょう。
言った言わないのトラブルを避けるためだけではなく、告知漏れを防ぐためにも重要なポイントです。
売買にあたって買主は内見をするのが一般的ですが、買主が直接確認している項目についても漏れなく記載しておくのが重要です。
このほか些細なものに感じられる項目についても、なるべく詳細に書面で残してください。
どこまで記載するべきか迷ったら、不動産会社の担当者に確認しましょう。
免責事項を明確にする
中古の不動産である以上、何ひとつ問題のない状態での引き渡しは困難です。
たとえば自然摩耗や経年劣化によるものまでは、新築同然の状態にして引き渡す対応はできないでしょう。
そのため通常は売買契約書に「現状有姿で引き渡す」といった文言を付加するので、売主の責任は問われません。
しかし2020年4月より導入された「契約不適合責任」では、買主に告知していない故障については責任を負わなければなりません。
たとえば引き渡し後に雨漏りが判明しても、それについて告知していなければ売主が知っていたかどうかに関わらず何らかの責任を問われます。
ただし契約不適合責任も、無制限に責任を問われるわけではありません。
契約書に期間を定めておいたり、買主の同意があれば契約不適合責任自体を免責することは可能です。
不動産を売却する理由は、人によりさまざまです。
売却したい理由によって抑えるべきポイントも異なりますから、不動産会社の担当者と打ち合わせながら販売活動を進めていることが肝心です。
個人間の売買であっても契約不適合責任などを問われるので、不明点についても担当者に相談しておきましょう。
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